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Wataru Takada



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Wataru Takada

あきらめ節

Lyricist:添田唖蝉坊
Composer:高田渡

地主金持は我儘者で
役人なんぞは威張る者
こんな浮世へ生れてきたが
わが身の不運と あきらめる

お前この世へ何しに来たか
税や利息を払うため
こんな浮世へ生れてきたが
わが身の不運と あきらめる

米は南京 おかずはひじき
牛や馬でもあるまいし
朝から晩まで こきつかわれて
死ぬよりましだと あきらめる

あせをしぼられ 油を取られ
血を吸いとられて そう上に
ほうり出されて ふんづけられて
これも不運と あきらめる

苦しかろうがまた辛かろが
義務は尽くさにゃならぬもの
権利なんぞをほしがることは
できるものだと あきらめる
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たとへ姑が鬼でも蛇でも
嫁は柔順(すなお)にせにゃならぬ
どうせ懲役するよなものと
何もいわずに あきらめる

借りたお金は催促されて
貸したお金は取れぬもの
どうせ浮世は斯様(こう)したものと
わたしゃ何時でも あきらめる

おらが一票でうかった議員
今じゃ 汚職の だいべん者
おらあ どうしよう困ったな
これも 不運とあきらめる

長いものには巻かれてしまえ
泣く子と資本家にゃ勝たれない
貧乏は不運で病気は不幸
時よ時節と あきらめる

あきらめなされよあきらめなされ
あきらめなさるが無事であろ
わたしゃ自由の動物だから
あきらめきれぬと あきらめる