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Album name:天使が舞い降りてくる日
『“舞い降りてくる天使”の清らかな声。』 静寂の地に射す光。無であったその場所が白く光りだし、木々や草花に命が宿る。 誰の仕業だろう。何かが起きるのだろうか。空の、ある部分が割れたようになり、そこから何かが降りてきたように見える。 きっとこんな感覚と同時に、ある時、ここに訪れるのだろう。まるで天使が舞い降りてくるかのように。優しい声が空の上から聞こえてくるように。希望という名の光が、誰のもとにも射してくるのだろう。 そんなふうに確信出来る、これは希望の歌である。大竹佑季の2ndシングル「天使が舞い降りてくる日」。タイトルからイメージが浮かぶその前に、まず彼女の歌声がスッと耳から入ってきたその瞬間、上述した景色や状態が鮮やかにここに立ち現れた。降り注ぐ光のような声。フワフワと柔らかくて、どこまでも清んでいる声。舞い降りてくる天使は大竹佑季自身なのではないだろうか。そんなふうにも思えてしまう。 そしてまた、聞けばこの曲は『天使』という映画の主題歌でもあるという。筆者はまだその映画を観ていないが、曲の世界観は恐らく映画との符合を見せてもいるのだろう。恐らく、互いが引き合うように。歌がストーリーを包むように。 大竹佑季、18歳。ミニ・アルバム『GREENSLEEVES』でメジャー・デビューしてから、およそ半年が過ぎた。 彼女は「自分の世界観を持った女性シンガー」という選考テーマのもと、オーディションで選ばれた歌手であり、つまりその段階において「自分の世界観」なるものを有していたということになる。 デビュー・ミニ・アルバム『GREENSLEEVES』、ファースト・シングル「tell me how」、そしてこの「天使が舞い降りてくる日」。彼女の世界観は揺らがず、少しずつ強固になっている。新しい何かがあからさまに加わっているというわけではない。仮にスタート地点をゼロだとするなら、今は3とか4とか5になっている……というわけではない。ただ、そこから何かが引かれているわけでもない。つまり、最初にあった世界観を今も壊したり失ったりすることなく、持ち続けていられているということだ。 なくさないことの強さ。それは誰でもが持っているものではないだろう。 なくしてはいけないもの。大竹佑季ただひとりの世界観。それをどこかに置き忘れたりしないまま歌手として成長していってほしいと願う。彼女はそれが出来る稀有な存在だと思うから……。
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